レジ袋を有料化しても結局マイバッグを持っていないことも多く結局使ってしまうことが多いですよね。
家で生ゴミをまとめたり何かと使い勝手がいいから使用量はなかなか減らない。
そんな中、生分解性プラスチックを原料としたレジ袋がGSIクレオスと凸版印刷という企業の共同開発されたというニュースが有りました。
なにがいいのか、レジ袋の問題点についてまとめてみました。
レジ袋の問題点
環境中で分解されない。
これがレジ袋ひいては石油を原料としたプラスチック製品の一番の問題だと思います。
このゴミが海に流れ出て、分解されないまま蓄積していく。
レジ袋を含むプラスチック製品の海への流出量は年間800万トンと言われ、2050年には海にいる魚の重さよりもプラスチックごみの総重量のほうが重くなるという試算が出ています。
さらに自然に分解されることはなく、波や紫外線の影響で細かくなっていくだけなので、小さくなったプラスチック片を魚や海鳥類が食べてしまいます。
5mm以下に小さくなったプラスチックごみをマイクロプラスチックといいます。
最近では紅茶のティーバッグから大量のマイクロプラスチックが検出されたことも話題となりました。
プラスチック製ティーバッグ、100億超のマイクロプラスチックが紅茶の中に カナダの研究チーム(2019.9.27 CNN)
海洋汚染の影響

海に溜まったゴミは、最終的に私達にそのツケが回ってきそうです。
最近は鳥や魚の体内から大量のプラスチックが発見されるようになりました。
クジラの胃に100kgのごみ、なぜプラごみ食べる?(2019.12.10 ナショナル・ジオグラフィック)
カメや海鳥類がプラスチックごみが原因で死んでしまうことも度々報道されています。
さらにマイクロプラスチックを食べた魚を私達が食べています。
マイクロプラスチックを人体に取り入れることでどのような影響が出るのか現時点ではまだはっきりしていません。
ですが、もとは石油からできており体内で分解されるものではなく、いい影響ではないのは明らかです。
プラスチックごみの削減
レジ袋有料化などが私達の周りでプラスチックごみを削減する方法として始まっていますね。
ですが、冒頭で述べたように結局の所レジ袋を使っている人はそれほど減っていないように思います。
マイバッグを持つ意識が増えたのは確かだと思いますが、常に持ち歩いているわけではなく、結局レジ袋を使ってしまうシチュエーションは多いのではないかと思います。
それに有料化と言いつつ2-3円なのでそれほど損を感じることなく使ってしまいますよね。
そんな中、生分解性プラスチックを原料としたレジ袋が開発され販売されるとニュースになりました。
生分解性プラスチックとは
通常の石油を原料としたプラスチック袋は土や海などの自然の環境の中で自然に分解されることはありません。厳密に言うと気の遠くなるような時間がかかります。
一方の生分解性プラスチックとは植物性ポリマーやトウモロコシデンプンを原料としており、地中では微生物により水と二酸化炭素に分解されます。
さらに海中分解性も判明しているようです。
生分解性プラスチックが原料のレジ袋

この原料を使用したレジ袋がGSIクレオスと凸版印刷という会社によって共同開発されたことがニュースになりました。
凸版印刷とGSIクレオス、自然環境で分解するレジ袋(2019.12.5 日経新聞)
Mater-Bi(マタビー)と呼ばれる原料でレジ袋を作っており、これが植物性ポリマー、トウモロコシデンプンが原料となっているようです。
なかなかレジ袋などが削減できない中、レジ袋そのものが環境に還る自然のものにするという取り組みは効果的だと思うので、レジ袋有料化よりもこちらを推進してほしいと願います。
また、海洋汚染が深刻になっているので、海中分解性に関する詳細なデータが出てくることも期待したいところです。
家庭用の生分解性ゴミ袋
普段家でゴミを捨てるときに使うゴミ袋は生分解性のものがすでに市販されています。
生ゴミなどを入れる小さいゴミ袋としてはこれがおすすめ。
Amazonで買うより楽天のほうが割安です。
大きなゴミ袋としてはこのようなものがあります。
普通のゴミ袋に比べると割高ですが、プラスチックによる汚染を少しでも減らすため個人でできる範囲で意識して使っていきたいですね。
太陽光でプラスチックを分解するテクノロジーも

さらに最近では人工太陽灯を使ってプラスチックを「ギ酸」と呼ばれるエネルギー精算に使える物質に分解することに成功したという研究結果がシンガポールの研究チームから報告されました。
プラスチックを太陽光で分解、新手法開発 シンガポール研究(2019.12.12 AFPBB)
まだごく少量のプラスチックを実験室環境で触媒を使って分解できた段階で、実際の太陽光のもとで大量のプラスチックに対して応用するには程遠いですが、このような技術の開発が進めば大量に海に浮かぶプラスチックごみの解決策の1つなる可能性はあります。
今後の技術開発にも期待したいですね。
まとめ
自然に還る素材のレジ袋の開発や、プラスチックの分解技術の発展に期待しつつも、まず私達ができることはできるだけプラスチックごみとなるものを消費しないということだと思います。
特別なことではないですが、マイバッグやマイボトルを持ち歩いてできるだけプラスチックごみを出さない生活スタイルを心がけていきましょう。