自然にふれる

自然に触れると心地よいと感じることはよくあると思いますが、健康に良い影響を与えるにはどのくらい自然に触れたらいいのかという目安はあまり聞いたことがありませんよね。
それを調査した研究があります。
1ヶ月に5時間
前回記事でも紹介した本「NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる」の中で、あるフィンランドの研究が紹介されています。
その研究では都会に暮らす3000人を対象に、自然の中で過ごしたあとの気分の変化とストレスの軽減について調査した結果、1ヶ月に5時間自然にふれて過ごすとストレスの軽減について最大の効果が得られたと報告されています。
1ヶ月に5時間ということは、1回あたり30分程度を週2回、自然の中で過ごせばいいという計算になります。
さらに82名のオフィスワーカーに都心、整備された公園、森林公園の3つの場所で30分のんびりと散歩してもらい、その前後に15分間座っていてもらうという実験をしたところ、都心以外の公園や森林公園では15分座っているだけででストレス値が軽減(コルチゾールの値が低下)することが明らかとなりました。
緑がある場所で過ごす時間が長くなるほど気持ちが上向いたという報告が増え、その効果はより自然豊かな森で過ごした人のほうが高かったそうです。
L.Tyrväinen et al.The influence of urban green environments on stress relief measures: A field experiment.Journal of Environmental Psychology 38 (2014) 1-9
Nature Pyramidという考え方
NATURE FIXの中ではNature pyramidという考え方が自然を健康に役立てる方法として提案されています。

この図から
- 毎日、何かしらの緑にふれる
- 毎週、公園や川辺でリラックス
- 毎月、ハイキングや森林浴で自然にふれる
- 毎年、非日常的な大自然にふれて畏敬の念を抱く
ということが推奨されています。
日、週、月、年で分けて考えて、自然にふれる時間を意識的に増やそうというメッセージですね。
自然にふれる時間を意識的に増やそう
自然に触れるとここちがよいことは多くの人が感じることだと思います。
近年では自然が科学的に健康やストレスの軽減に役立つことがわかってきており、どのくらい自然にふれたらいいのかというところまで踏み込んだ研究が出てきています。
目安は1ヶ月に5時間ですが、1ヶ月に2,3日都会を離れて自然豊かな場所で過ごすことで同じ効果が得られるので、週末に都会を離れて海や山、川などにでかけてみるのが良さそうです。
都会で仕事に追われ通勤で心身ともに消耗している方は少しでも自然にふれる時間を増やしてみてはいかがでしょうか。
季節にあったアクティビティで自然にふれる

運動好きな人は自然の中のアクティビティで遊ぶことで自然にふれつつ、運動もできて一石二鳥ですね。
海ではシュノーケリングやSUP、カヤックなど、山では登山やトレッキングなどがあります。
森や山での遊びでは以前の記事に書いた森のニオイの効果も得られていいですね。

運動が苦手な方は自然の中でキャンプをしてのんびり過ごしたり、自然豊かな場所でゆっくり散歩するだけでも心の健康に大きく貢献してくれそうです。
次の週末は自然の中で遊ぶ計画を立ててみてはいかがでしょうか。
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