食事

天然塩と精製塩| おすすめの天然塩 福岡「またいちの塩」

先日福岡県の糸島市にある「またいちの塩」に行ってきました。

たまたまご厚意で情熱を持って塩作りに取り組んでおられる職人の方に直接話を伺うことができ、さらに平釜で塩を炊いている様子や、できたての塩の試食をさせていただきました。

造り手の情熱と本質を追求する姿勢がみえる天然塩「またいちの塩」、おすすめです。

天然塩は海水から直接作るためミネラルが豊富なのは割と知られています。

ですが、作っている工程や造り手をみて直接話を聞き、その本質を追求する姿勢をみることができるとより信頼して買うことができます。

塩の種類

塩は原材料の種類によって分けられます

  • 海水塩
  • 藻塩
  • 岩塩
  • 湖塩
  • 地下塩水園
  • シーズニング

※出典:日本と世界の塩の図鑑 青山志穂 あさ出版 2016

私たちが日常で料理に使うものはほとんどが海水塩ではないでしょうか。

海水塩は製法により精製塩自然塩に分けられていました。

「いました」という過去形を使うのは、食用塩公正取引協議会という団体が、同協議会に加盟する企業の製品については自然塩、天然塩という呼称を使わなくなったそうです。

ただ、それに変わる名称がないため、現在も自然塩、天然塩という呼称が使われていることが多いようです。

福岡「またいちの塩」

またいちの塩 入り口看板

先日福岡県の糸島市にある「またいちの塩」に行ってきました。

観光のいちスポットとして立ち寄り、名物の塩プリンを食べようと思っていたのですが、ここで塩作りの本質について職人の方に話を聞くことができました。

話を聞いているうちに塩プリンのことはどっかにいってしまい(といっても台風、豪雨の影響で機械が故障して食べられなかったのですが、、)、いつの間にかいつもの塩選びを考え直す機会になりました。

海水から作る天然塩と精製塩

塩はあらゆる調味料の中でも最も基本的な調味料の一つです。

とはいいつつもあまり塩について勉強したことはなく、スーパーに行くとよくみる安い塩から少し高めの塩まで並んでいますが、ちょっと高い塩がいい塩で美味しいんだろうなぁ位の感覚でした。

最初に職人の方に質問されたことは

「天然塩と精製塩の違いを知っていますか?」

ということでした。

ん〜、天然塩というとなんとなく天日干しで作ってやつかなくらいの感覚でした。

天然塩の作り方

天然塩は海水100%

塩の原料は海水です。

精製塩は原料となる海水を巨大な釜でガス火をつかって高温で一気に海水を蒸発させ、海水に含まれる塩分を結晶化させたものです。そのときに海水に含まれるミネラルなどは失われてしまいます。

一方の天然塩は海水に含まれるミネラルが失われないよう、手間をかけて造られています。

またいちの塩では、まず塩田と呼ばれる場所で吊るされた竹に海水を吹き付けて、竹を伝って下に落ちていく間に日光に当てて海水をゆっくり蒸発させて海水の塩分濃度を高めるそうです。

またいちの塩の塩田

通常の海水の塩分濃度は3%程度、10日間この作業を繰り返した後の塩分の動は7−9%程度まで濃縮されるそうです。

この濃縮した海水を鉄の平釜で薪で焚いた直火を使って3日間釜で炊いて結晶化したものを「またいちの塩」として販売しています。

薪で焚いている直火
平釜で炊いて結晶化した塩をすくっている様子

ご厚意で通常では見ることができない平釜で塩を炊いている様子や、できたての塩の試食をさせていただきました。

できたての塩を試食

塩はいわゆる塩辛さがなく、食べた瞬間に妻とともに「しょっぱい」、ではなく「美味しいねー」と言い合っていました。

職人の方いわく、塩はミネラルを取り込む基本の調味料であり摂取が推奨されるもので、昨今言われている減塩の推奨は、ミネラルが失われた精製塩をたくさんとってきた現代の食生活の弊害だとのことです。

減塩ブームのウソ・ホント

日本で塩が体に悪いと言われ始めたのは50年前の研究がベースになっているそうです(1)。

その研究で塩分摂取が多い東北地方の人に脳卒中が多いことから塩分過多が問題だと指摘され、国を上げて減塩が推奨されてきました。

一方で、2016年に世界4大医学雑誌のThe Lancetに掲載された論文では正常血圧の人は塩分摂取を増やしても高血圧のリスクを高めず、むしろ減塩した場合には心血管系疾患のリスクが高まることが報告されています(2)。

この研究では49カ国、133,118人(63,559人の高血圧患者と69,599人の正常血圧の人)を対象に、塩分摂取量と血圧、心血管系疾患の発症などを追跡調査しています。
かなり大規模な研究です。

すでに高血圧の人は、塩分摂取量を増やすと更に高血圧になるリスクが高まるため控えたほうがいいと示されていますが、正常血圧の人たちに減塩を推奨する科学的な根拠はないことが示されました。

何でもかんでも減塩すればいいというのは科学的には正しくない可能性があるようです。

天然塩は味が変わる?

よく塩のパッケージに瀬戸内海海水100%とか、沖縄の海水100%とかって書いていますが、あれは当たり前のことを言っているだけなんだそうです。

作っている地域の海水から作るから、その地域の海水100%であるのは当たり前。

またいちの塩も書かれていませんが、工房が面している玄界灘の海水100%だそうです。

面白いのは、原料が海水100%なので同じように作っていても日々味が変わるそうです。

私たちは大量生産された精製塩に慣れ親しんでいるので、塩の味が変わるという感覚はもっていませんが、言われてみると作るときによって海水に含まれている成分は変わるわけなので当然そうだよね、という話になりました。

また、自然のものをいただくというのはそういうことだとえらく納得してしまいました。

パッケージに書かれていることが本当とは限らない

もうひとつ、職人の方から面白い話を聞けました。

それは塩のパッケージに関すること。

日本ではパッケージに書かれている製法が絶対に行われているという保証はないそうです。

精製塩のように作って、最後の一日だけ天日で干したものを天日塩と謳っているものもあるそうで。。

そのようなことを聞くと、なおさら造り手の顔や作っている工程をこの目で見れたものを購入したいという気持ちになりました。

天然塩はミネラルを身体に取り込む自然の調味料

天然塩は海水に含まれるミネラルをそのまま身体に取り込むことができる自然の調味料です。

オリーブオイルと一緒にサラダにかけたり、塩おにぎりにするだけでも十分美味しいです。

自分の目で作っているところを確かめられる天然塩、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

1.「減塩」が病気をつくる 石原結實 青春新書インテリジェンス 2017

2.Mente A, O’Donnell M et al. Associations of urinary sodium excretion with cardiovascular events in individuals with and without hypertension:a pooled analysis of data from four studies. The Lancet Vol 388, No.10043, p465-475 2016.

3.日本と世界の塩の図鑑 青山志穂 あさ出版 2016