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市販のはちみつは殺虫剤が含まれている?世界中に広がるネオニコチノイド系農薬

みなさんは市販されている多くのはちみつには殺虫剤成分が含まれている可能性があることをご存知でしょうか?

その理由となっているのは世界中で使われている殺虫剤(ネオニコチノイド系農薬)が花粉を媒介する蜂に大きな影響を与えているからと言われています。

市販のはちみつから検出されるネオニコチノイド系農薬

世界各国で市販されている198種類のはちみつを調査した報告によると、75%のはちみつからネオニコチノイド系農薬の成分が検出されたと報告されています。

Mitchell et al., Science 358, 109–111 (2017):  A Worldwide survey of neonicotinoids in honey.

この報告によると、世界各国から集めた198のはちみつの成分を分析したところ、

75%は1つのネオニコチノイド系化合物を含み

45%は2つ以上の化合物を含み、

10%は4または5つの化合物の成分が検出されたそうです。

またこれは世界の地域によって差があり、

北米産のはちみつでは実に86%からネオニコチノイド系農薬を検出

アジアでは80%から検出、

ヨーロッパでは79%から検出されています。

日本においてもミツバチの大量死が認められ、平成26年にその原因の調査が報告さています。

夏季に北日本水田地帯で発生が見られる巣箱周辺でのミツバチのへい死の原因について.農業環境技術研究所 平成26年

いずれも人に影響を与える残留レベルの上限値を超えてはいないとされていますが、農薬が含まれているはちみつというだけであまり体に取り入れたくありませんよね。

ネオニコチノイド系農薬とは

ネオニコチノイド系農薬とはニコチンに似た成分をベースとする殺虫剤です。

ネオニコチノイド系と呼ばれる化合物の代表的なものは以下の7つ。

  • アセタミプリド
  • イミダプロクリド
  • クロチアニジン
  • ジノテフラン
  • チアクロプリド
  • チアメトキサム
  • ニテンピラム

これらに加えて、作用がよく似た浸透性農薬であるフィプロニルを含めてネオニコチノイド系農薬と呼ばれています。

薬品の名前はどうでもいいですが、これらの化合物がはちみつを介して私達の体内に取り入れられているんだという事実は知っておく必要はあるかなと思います。

ネオニコチノイド系農薬の何が問題か

殺虫剤として使用されるネオニコチノイド系農薬は3つの点から問題視されています。

1. 神経毒性がある

害虫以外にも益虫を殺してしまうという性質があり、近年では蜂の大量死との関連が疑われています。

人に対する影響は不明な点が多いですが、EUでは人の神経発達障害と関連するということを公式発表しています。

また、ADHDや自閉症との関連も懸念されています。

2. 浸透性がある

浸透性とは散布されたネオニコチノイド系農薬が水を介して土壌・地下水にに入り込み殺虫剤を使用していない地域にまで広がることを指します。

根から入って作物の中に染み渡るので洗っても落ちない農薬となるわけです。

花粉や蜜、樹液にも行き渡るので、当然それを媒介する蜂に大きな影響を与え、それが大きな問題となっています。

これは蜂の大量死の原因を追った本の中でアメリカでも同様の減少が生じていたことが報告されています。

つまり、自分の土地では使っていなくても近隣の誰かがネオニコチノイド系農薬を使うと、その地域の草木や地下水に農薬が染み込んでしまうというわけです。

もちろん、今現在養蜂業をされている方は農薬を使うことはないと思いますが、これまで過去にその蜂が飛び回る地域で農薬を使っていなかったかどうかにも影響されるということを知っておく必要があります。

花粉媒介者である蜂が大量死することは農業にとって大きなダメージです。

一例としては、皆さん食べることも多いカリフォルニア産のアーモンドなどはミツバチを巣箱でレンタルしてきてアーモンド農園に放ち、受粉させるようにしているがその蜂自体がいなくなってきています。

3. 残留性がある

更に厄介なのが、残留性という特徴。

読んで字のごとくですが、ネオニコチノイド系農薬は土壌や水の中に一度溶け込むと自然になくなることはなく長く留まるため徐々に蓄積していくという性質があるそうです。

なので、本当に農薬に汚染されていないはちみつとなると人のいない山奥とかで農業をこれまでやっていない土地とかなら可能性がありますが、都市部で行われている養蜂業だとほぼネオニコチノイド系農薬の汚染が進んでいるだろうということが推測されます。

ネオニコチノイド系農薬の規制状況

世界のネオニコチノイド系農薬の規制状況は以下のサイトでチェックできます。

ネオニコチノイド農薬:各国の規制状況

これをみると驚きなのが世界の大きな流れとしてネオニコチノイド系農薬を全面禁止する方向に動いているのに、日本だけ規制緩和するという意味不明の自体。

本当に日本は農薬大国なんだなと思います。

これを踏まえると市販されているはちみつはほとんどが殺虫剤成分を含んでいる可能性があることがわかります。

国産のはちみつだから安全だ、なんてもう言えません。

安全なはちみつは?

農薬を使っていない土地ではちみつを採取していますとしているはちみつメーカーもありますが、厳密にはちみつが飛んで花蜜を採取してくる地域全体でこれまでにネオニコチノイド系農薬が一切使われていないという保証はどこにもありません。

先程の規制状況を見ても日本国内は厳しいだろうと推測されます。

ちなみにミツバチが巣から花蜜を採取しに行く距離は平均4kmといわれ、遠いときには12.5km離れたところまで採取しに行くことも有ると言われています。

(Mitchell et al., Science 358, 109–111 (2017)

本当に人里離れた山奥などで養蜂業をやられている方のはちみつなどはいいと思いますが、なかなか身近で手に入ることはないですよね。

私も知識が浅い頃はとりあえずオーガニックのはちみつなら大丈夫だろうと思って、USDAオーガニックのはちみつを好んで食べていましたが、よくよく考えるとアメリカでは思いっきりネオニコチノイド系農薬を使ってきた歴史があるので、どこまで信用していいか難しいなぁと今では感じます。

少しでも安全なものを選ぶクセをつけよう

自分の体に取り入れるものに気をつけたいという方は、市販のはちみつはその多くが殺虫剤成分(ネオニコチノイド系農薬)が含まれている可能性があることを知っておきましょう。

今まで試したことのあるオーガニック系のはちみつで良さそうだなーと思ったのはこのへん。

どれも実際に採取している環境がわかるわけではありませんし、残留農薬の検査をしているわけでもないので100%農薬の汚染がないとはいえません。

が、少しでも安全なものを選びたいという方は参考にしてみてください。

また、世界中でミツバチが大量死した理由について興味がある方はこちらの本がおすすめです。

ミツバチがどれだけ農作物に重要か、そしてその多くが世界中で死に絶えようとしている現実を知ることができます。

あ、そうそう。
はちみつを選ぶときは必ずガラス瓶のものを選びましょう。
その理由はこちらで。

地球と自分の体に優しいものを選んでいけるといいですね。